人間関係・心理学

新人も立派な教師!OJTで気づかされる相互学びの重要性

はじめに

多くの職場でOJT(On-the-Job Training)は新人教育の手法として採用されていますが、教える側と教わる側の相互成長の機会が豊富にあることは、意外と見逃されがちです。

この記事では、OJTを効果的にするための「新人から学ぶ視点」の大切さについて解説し、教える側がどうすれば新人の新たな視点や強みを引き出し、職場全体が成長できるかを考察します。

OJTの本質と相互成長の価値

OJTとは?
OJTは、日常業務を通じて新人が実際のスキルを身につける場です。しかし、ここで重要なのは「教えることだけではない」という視点です。指導側も新人の視点から新しい発見をすることで相互成長が期待できます。

ただ、教育体制が整っていなくて、実務をやりながら教えているという実態もあるのでは?とも私個人としては感じています。教育体制や資料がない状態でも行き当たりばったりではなく、こうなってほしいという目的をもってOJTを行うことが大切です。

新人から学ぶ視点の重要性
新人は組織の外から入ってきた存在であり、組織内の「当たり前」に疑問を投げかけることができます。これにより、業務改善や効率化の糸口が見つかることも多く、指導側も自身のスキルアップや柔軟な視野を得る機会として活用できます。

OJTで相互に学ぶことのメリットと根拠

相互成長がもたらす心理的メリット
心理学的には、「教育することで学びが深まる」という理論があり、教える側が新人に説明する中で自分自身の知識やスキルがさらに強化されます。教える立場にあることが自己効力感(self-efficacy)を高め、指導者としての成長に繋がります。

「新人の強み」を引き出すことの価値
新人が持つ新鮮な視点や柔軟な考え方は、業務改善のヒントをもたらすことがあります。企業の研究でも、新人の視点が企業文化の改善や業務効率の向上につながることが示されています。OJTにおいても、これらを意識して対話することが重要です。

新人からの学びを取り入れるための具体的な方法

1. 新人からのフィードバックを積極的に受け取る
新人に業務プロセスや手順について意見を求めることで、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。例えば、定期的なミーティングやアンケートを設けて、業務の改善点や疑問点を話し合う機会を作りましょう。

会議の際はファシリテーター(司会者)として、新人にも話を振ること や その意見を否定しないことを意識してより良い時間を作っていきましょう。

2. 強みを伸ばし、他のメンバーも巻き込む
新人の強みを見つけてチーム内で共有することで、他のメンバーにも学びの機会が広がります。例えば、プログラミングが得意な新人がいる場合は、他のメンバーにもそのスキルを伝える機会を設け、全体のレベルアップを図ります。

3. メンター役も積極的に学ぶ姿勢を持つ
メンターとは仕事やキャリアとしてアドバイスを行ってくれる人のことです。

このメンターとして接する指導者も学ぶ姿勢を忘れずにいることで、新人が感じる「教えられている」というプレッシャーが軽減され、双方向の学びの姿勢が形成されます。例えば、「確かになんでこんなことやっているんだろう」「その考え良いね」とフィードバックをするだけでも、相互に信頼関係が生まれやすくなります。

はじめは「私も役に立てることはあるのだろうか」「自分が分からないばかりに時間取らせてしまって申し訳ないな」と思ってしまうものです。これが新人からしても貢献できていると感じられるだけでやりがいとなっていくと思います。

OJTを効果的にするためのポイント

新人とのOJTは相互に学ぶ場と位置づけましょう。新人が持つ視点や知識が既存の方法を改善する可能性があるため、柔軟な姿勢を保ち、新しい意見や提案を積極的に受け入れることが大切です。これにより、教える側と教わる側の双方が高い満足度を得て、持続的な成長を目指せます。

まとめ

OJTは新人教育の場であると同時に、教える側が成長し、新しい発見を得る場でもあります。新人の視点を大切にし、双方向の学びを意識することで、職場全体の成長やチームの結束力も向上します。次回のOJTでは、学ぶ姿勢を忘れずに、新人との交流を楽しみながら指導に当たってみましょう。